SF-36®(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)

SF-36®は、健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)を測定するための、科学的で信頼性・妥当性を持つ尺度です。 SF-36は、米国で作成され、概念構築の段階から計量心理学的な評価に至るまで十分な検討を経て、現在、170カ国語以上に翻訳されて国際的に広く使用されています。 現在、オリジナルのSF-36(日本語版はversion1.2)を改良したSF-36v2®が標準版として使われています。 SF-36は、ある疾患に限定した内容ではなく、健康についての万人に共通した概念のもとに構成されています。様々な疾患の患者さんや、病気にかかっていない健康な方のQOLを測定できます。疾病の異なる患者さんの間でQOLを比較したり、患者さんの健康状態を一般の人と比較したりすることも可能です。

SF-36v2にはスタンダード版(振り返り期間が過去1ヶ月)とアキュート版(振り返り期間が過去1週間)があります。

日本語版版権者

  • Medical Outcome Trust, QualityMetric, Fukuhara S.

開発論文

尺度使用登録申請 →  
SF-36を使用して調査を行う場合は、使用登録申請が必要です。マニュアル、スコアリング・プログラムは別売りです。  
 

マニュアル →  
SF-36v2日本語版の説明と使用方法を解説した冊子です。2007年の日本人の国民標準値を掲載しています。  
 
 

スコアリング・プログラム →  
Microsoft Excelのファイルです。SF-36v2調査票を使って得られた得点を、標準化されたスコアリングアルゴリズムを用いて計算することができます。

SF-36v2質問項目

SF-36の特徴・構成

SF-36の特徴

包括的尺度である

健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)を測定する尺度は、大まかに包括的尺度と疾患特異的尺度に分類されますが、SF-36®は前者に位置づけられます。 HRQOLという共通した概念で構成されているので、様々な疾患の健康関連QOLを測定することができ、疾病の異なる患者さん間のQOLの比較が可能です。また、病気にかかっている人から一般に健康といわれる人のHRQOLを連続的に測定できるので、患者さんの健康状態を一般の人と比較することができます。

国民標準値との比較ができる

SF-36v2は国民標準値(2007年)が公開されていますので、それを基準にして対象群の健康状態を検討することができます。 SF-36v2日本語版マニュアルに性別・年代別の国民標準値データ(2007年)が掲載されているほか、スコアリングプログラムを使用するとより簡単に比較ができるようになります。

国際的に最も普及している健康関連QOL尺度である

SF-36は健康状態を測る調査票として、世界中で最も普及しているものです。これは、SF-36がシンプルかつ有用であり、計量心理学的に十分な特性を持ち、入手方法も容易で、十分な量のデータの蓄積があるためだと考えられます。

SF-36の構成

SF-36は、8つの健康概念を測定するための複数の質問項目から成り立っています。
8つの概念とは、(1)身体機能 (2)日常役割機能(身体)   (3)体の痛み  (4)全体的健康感 (5)活力 (6)社会生活機能 (7)日常役割機能(精神) (8)心の健康 です。
8つの下位尺度は、単独でも使用することができます。ただし、下位尺度得点を算出するためには、1つの下位尺度に含まれる項目を全て使用することが必要です。

サマリースコア

オリジナル英語版では8つの下位尺度から2つのコンポーネント・サマリースコア(身体的側面のQOL、精神的側面のQOL)を算出することができます。しかし、日本を含むアジア諸国では欧米と同じような因子構造が見られないため、この2コンポーネント・サマリースコアを使うことは推奨されませんでした。2011年に「身体的側面」、「精神的側面」に「役割/社会的側面」を加えた3コンポーネント・スコアリング法が開発され(Suzukamo et al. 2011)、日本でもサマリースコアを使用することが可能となりました。3つのコンポーネントのそれぞれのサマリースコアを、「身体的側面のQOLサマリースコア(Physical component summary: PCS)」、「精神的側面のQOLサマリースコア(Mental component summary: MCS)」、「役割/社会的側面のQOLサマリースコア(Role/Social component summary: RCS)」と呼びます。

SF-36の8つの下位尺度

下位尺度名 略号 得点の解釈
低い 高い
身体機能
Physical functioning
PF 入浴または着替えなどの活動を自力で行うことが,とてもむずかしい 激しい活動を含むあらゆるタイプの活動を行うことが可能である
日常役割機能(身体)
Role physical
RP 過去1ヵ月間に仕事やふだんの活動をした時に身体的な理由で問題があった 過去1ヵ月間に仕事やふだんの活動をした時に,身体的な理由で問題がなかった
体の痛み
Bodily pain
BP 過去1ヵ月間に非常に激しい体の痛みのためにいつもの仕事が非常にさまたげられた 過去1ヵ月間に体の痛みはぜんぜんなく,体の痛みのためにいつもの仕事がさまたげられることはぜんぜんなかった
全体的健康感
General health
GH 健康状態が良くなく,徐々に悪くなっていく 健康状態は非常に良い
活力
Vitality
VT 過去1ヵ月間,いつでも疲れを感じ,疲れはてていた 過去1ヵ月間,いつでも活力にあふれていた
社会生活機能
Social functioning
SF 過去1ヵ月間に家族,友人,近所の人,その他の仲間とのふだんのつきあいが,身体的あるいは心理的な理由で非常にさまたげられた 過去1ヵ月間に家族,友人,近所の人,その他の仲間とのふだんのつきあいが,身体的あるいは心理的は理由でさまたげられることはぜんぜんなかった
日常役割機能(精神)
Role emotional
RE 過去1ヵ月間,仕事やふだんの活動をした時に心理的な理由で問題があった 過去1ヵ月間,仕事やふだんの活動をした時に心理的な理由で問題がなかった
心の健康
Mental health
MH 過去1ヵ月間,いつも神経質でゆううつな気分であった 過去1ヵ月間,おちついていて,楽しく,おだやかな気分であった

※出典:福原俊一、鈴鴨よしみ SF-36v2™日本語版マニュアル:特定非営利活動法人健康医療評価研究機構、京都、2004

この8つの下位尺度以外に、SF-36v2には、健康全般についての1年間の変化を尋ねる項目があります。この項目は、8つの下位尺度得点の算出には用いられず、単独で名義尺度もしくは順序尺度、間隔尺度として使用されます。