VFQ-11
VFQ-11は視覚に関連した健康関連QOLを測定する尺度で、簡便さおよび、回答者の負担を減らすことを目的として、NEI VFQ-25日本語版をもとに開発されました。
NEI VFQ-25日本語版は、1998年に米国で開発されたNEI-VFQ(51項目)の短縮版として開発されました。NEI VFQ-25日本語版は、眼科疾患が日常生活に与える影響を評価したり、治療やケアの結果を評価したりするのに広く使用されており、信頼性・妥当性 などの計量心理学的特性が検証済みです(Suzukamo Y et al. Health and Quality of Life Outcomes 2005)。NEI VFQ-25でも項目数が多く、患者負担が大きい為、より少数項目の質問票があればという現場のニーズにお応えする形で、このVFQ-11を開発することにいたしました。VFQ-11は、NEI VFQ-25に含まれる25項目およびオプションに含まれる14項目を基に、項目応答理論(Item Response Theory)を用いて項目の択を行いました。もちろん選択された項目の検証には古典的方法も用いました(Fukuhara S et al. PLoS One 2013)。
日本語版版権者
開発論文
- Fukuhara S, Wakita T, Yamada M, Hiratsuka Y, Green J, Oki K. Development of a short version of the Visual Function Questionnaire using item-response theory. PLoS One 2013; 8: e73084.
VFQ-11の構成
VFQ-11は、NEI VFQ-25の生活場面における視機能と、見え方による身体的・精神的・社会的な生活側面の制限の程度を測定する12の領域(下位尺度)のうち主要な7領域から構成されています。
これらの領域は、眼疾患を持つ患者さんだけでなく、眼疾患を持たない人にも共通する内容で構成されているので、異なる疾患を持つ患者のQOLを比較したり、一般の人と比較したりすることが可能です。
なお、NEI VFQ-25では下位尺度ごとにスコアを算出することができますが、VFQ-11では視覚に関連した健康関連QOLの総合的な指標として1つのスコアが算出されます。
NEI VFQ-25およびVFQ-11の下位尺度と項目数
|
|
VFQ-25 |
VFQ-11 |
下位尺度 |
略号 |
項目数 |
オプション
項目数 |
項目数
(オプションなし) |
全体的健康感 (General health) |
GH |
1 |
1 |
- |
全体的見え方 (General vision) |
GV |
1 |
1 |
1 |
目の痛み (Ocular pain) |
OP |
1 |
- |
- |
近見視力による行動 (Near vision) |
NV |
2 |
3 |
3 |
遠見視力による行動 (Distance vision) |
DV |
3 |
3 |
3 |
見え方による社会生活機能 (Social functio) |
SF |
3 |
1 |
1 |
見え方による心の健康 (Mental health) |
MH |
4 |
2 |
1 |
見え方による役割制限 (Role limitations) |
RL |
2 |
2 |
1 |
見え方による自立 (Dependency) |
DP |
3 |
3 |
1 |
運転 (Driving) |
DR |
2 |
- |
- |
色覚 (Color vision) |
CV |
1 |
- |
- |
周辺視覚 (Peripheral vision) |
PV |
1 |
- |
- |
項目数計 |
- |
25 |
14 |
11 |