Pandemic Burden Index twenty for HCWs (PBI-20)

PBI-20(Pandemic Burden Index twenty for HCWs)は、2019年のCOVID-19パンデミックの際に、感染症流行にともなう医療者の負担を測定するために開発・検証されたツールです。パンデミック特有のHCWの包括的な負担を理解し、負担を軽減するための介入を評価するのに役立ちます。最初の検証は2020年から2021年の期間で、COVID-19パンデミック中に行われました。PBI-20に関する権利は全て著者者の山本良平、山崎大、福原俊一とQualitest株式会社が保持しており、Qualitest株式会社は、PBI-20の登録受理・配布に関する業務を独占的に行う機関として、版権者から認められています。

日本語版版権者

PBI-20の著作権は、山本良平、山崎大、福原俊一およびQualitest株式会社にあります。

開発論文

Yamamoto R, Yamazaki H, Kobara S, Iizuka H, Hijikata Y, Miyashita J, Kataoka Y, Yajima N, Miyata T, Hamaguchi S, Wakita T, Yamamoto Y, Fukuhara S. Development and Initial Psychometric Validation of the COVID-19 Pandemic Burden Index for Healthcare Workers. J Gen Intern Med. 2023 Jan 18:1–9. doi: 10.1007/s11606-023-08028-3. Epub ahead of print. PMID: 36652099; PMCID: PMC9847449.

尺度使用登録申請

PBI-20のライセンス料は新たな測定ツールの開発、より使いやすいサポートツールの開発に使用され、健康評価・アウトカム評価に貢献します。

どちらの場合も利用の申請は以下から行ってください 。

 

尺度の翻訳版を開発したい方へ

氏名、Emailアドレス、組織、営利・非営利、翻訳経験、尺度関連研究の業績を入力し、以下から申し込んでください。

 

PBI-20の測定概念、構造、特徴

PBI-20は20の質問から構成され、6つの異なるドメインと1つの全体ドメインで医療者のパンデミックに伴う負担を評価し、さらには時間的変化を検出できます。また、サブスケールとして各ドメインを利用することで特に負担が大きいドメインを特定することができます:

● 疲労感 Fatigue 3項目
● 医療者としての不全感 Inadequacy as a medical professional 3項目
● 感染への不安 Fear of infection 3項目
● メンタルヘルス Mental health concerns 3項目
● 被差別感 Prejudice or discrimination 3項目
● 生活への不安 Anxiety about one’s livelihood and daily life 3項目
● 全般 Global 2項目

PBI-20質問票のすべての項目は、1=全くなかった、2=まれに、3=ときどき、4=ほとんどいつも、5=いつも、として点数化されます。スケール項目は、否定的な回答(より高い負担を示す)が常にスケールの高い方に位置し、スコアが高いほど負担が大きいことを示します。

PBI-20の合計点はすべての項目を合計した値です。合計得点は20点から90点まであり、20点は負担のないことを表し、90点は負担が最大であることを表します。

因子分析により6つのドメインが特定されているため、各ドメインのみを合計し下位尺度として単独でも使用することができます。ただし、下位尺度得点を算出するためには、1つの下位尺度に含まれる項目を全て使用することが必要です。

PBI-20の特徴

PBI-20が開発される以前から、パンデミック時に医療者にどのような負担がかかるかということは研究されてきました。2019年のCOVID-19パンデミックに伴い、医療者は個人防護具の着脱、家族や友人への感染、外傷性ストレス、うつ病、燃え尽き症候群、睡眠障害などの負担に直面していることが明らかにされました。従来の研究では、COVID-19による恐怖、不安、ストレスを測定するための尺度が開発されていますが、パンデミック特有の負担の重要な側面は欠けていました。また、それらの尺度では尺度開発のための標準的な手続きを踏んで作成されたものがありませんでした。

PBI-20では、パンデミック時に医療者が直面する身体的、精神的、社会経済的負担を定量化する尺度であり、既に計量心理学的に信頼性・妥当性が検証されています。PBI-20は6つのドメインと2つのグローバル項目からなり、質問票の堅牢性は、学際的かつ専門家による議論を含む厳密な開発プロセスによって担保されています。このプロセスは、心理測定尺度の開発経験を持つ開発パネルと、COVID-19のパンデミック時に医療に従事したHCWのパネルによって行われました。PBI-20は、良好な内容妥当性、構成妥当性、信頼性を有します。

PBI-20の利用上の注意

  1. PBI-20質問票は、使用申請後、1ページのPDFで提供されます。PBI-20を使用する際には、原則としてタイトル、設問、順番などを変更しないでください。
  2. PBI-20は山本良平、山崎大、福原俊一の著作物であるため、タイトルなどは質問票に残しておく必要があります。
  3. PBI-20はオンライン形式でも使用できます。申請フォームからお申込みください。
  4. PBI-20 は、他の研究者や使用者に配布してはなりません。この尺度の使用を希望する人は、管理を委託しているQualitest社に利用を申請する必要があります。
  5. 著作権者ら、およびQualitest社は、PBI-20の使用に起因する直接的、間接的な損失、コスト、経費、損害について、責任を負わないものとします。
  6. PBI-20を使用した研究を発表する場合は、尺度を開発した研究(J Gen Intern Med. 2023 Jan 18:1–9)を必ず引用してください。
  7. 尺度の整合性を保つために、どのような出版物でも常に「PBI-20」として表記しなければなりません。
  8. いかなる出版物等においても、本質問票関連資料の全部又は一部のコピー(スクリーンショットないしその抜粋を含みます)を含めることはできないものとします。
  9. PBI-20の翻訳版を使用している場合、尺度の整合性を保つために、翻訳版は常に「PBI-20-XXX」(XXXは言語)と表記しなければなりません。例えば、ポルトガル語の翻訳版は「PBI-20-Portuguese」と表記してください。
  10. PBI-20を翻訳したい場合、尺度の完全性を維持するために、翻訳版は常に「PBI-20-XXX」(XXXは言語)と表記しなければなりません。例えば、トルコ語の翻訳は "PBI-20-Turkish "と表記してください。